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2017年10月17日 (火)

トリガール~三度目の殺人~ナミヤ雑貨店の奇蹟

この秋に観た3本の映画の感想を書き残しておこうと思います。

 

『トリガール』

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この手の映画は、普通ならパスする手の映画でした。

ところが、「観てみよう」と思ったのはこの映画が扱っている題材が『鳥人間コンテスト』だったから!

   

その昔、『びっくり日本新記録』という番組があって、子供のころにすごく楽しんで観ていた番組でした。

その番組は色々な変わった種目の日本一を競う内容で、馬鹿さ加減とそれに必死に取り組む参加者たちの努力に感動しながら、そのアンバランスさを楽しんで観ていたものです。

   

そのコンテストの一つの種目として『鳥人間コンテスト』が始まり、この種目が番組を飛び出して単独の特番として(確か年一回)放送されるようになりました。

琵琶湖に作られたプラットフォームから飛び立ち、飛行距離を競うものですが、面白い機体で参加する人や本格的な機体を作成して参加する大学チームなど、様々なレベルで参加する人々がいるところがとても楽しかった記憶があります。

 

そして、本作品はこの『鳥人間コンテスト』に挑み続ける大学のクラブ(サークル)に入って、大会に挑戦する女子(土屋太鳳)の物語です。

軽~い内容の作品かな?との先入観を持って観賞しました。

   

ジャンルとしては、青春コメディなのでしょうか?

凄く単純なストーリー展開で、深く考えることなく気楽に見ることができます。

そして、コンテストに出場する過程とコンテストでどんな結果になるのか?

   

昔の『鳥人間コンテスト』を知っている私としては、懐かしく、また当時の記録に感動していたことがオーバーラップして、ちょっと他人様とは違った意味での感動がありました。

『轟二郎』が出てくるところなんて、作り手の想像以上に感動してしまったと思います。(笑)

 

この映画は〝青春ラブコメディ〟ではありません。

〝青春コメディ〟でもないです。

どちらかというと〝青春スポーツコメディ〟ですね。

『びっくり日本新記録』や『鳥人間コンテスト』を楽しく観ていた人や、スポーツ感動ものが好きな人にオススメの映画と言えるでしょう。

 

 

『三度目の殺人』

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次に見たのが、是枝監督の最高傑作とのフレコミであった『三度目の殺人』です。

実は、是枝作品を見るのは初めてだったんです。

だから、是枝監督が造る作品のイメージ等を全く知らずにこの作品を見ました。

 

前評判通りに、初めから最後まで重~い雰囲気でストーリーは進んで行きます。

事件から裁判、そこに絡んでくる登場人物の過去、殺人犯として捕まった人物が本当にその殺人を犯したのかどうか?

これを解明していくのが大筋のストーリー展開です。

しかし、この映画の本当の醍醐味は〝ストーリーの結末を知る〟というところではなく、〝是枝監督のメッセージに気付く〟というところではないかと感じました。

 

是枝監督がこの映画を観る人に感じてもらいたかったもの、それは〝真実(結末)がわからないこと〟ではないでしょうか。

「訴訟経済」という名のもとに、現実の世界は「真実」とは関係のないところでどんどん進んでいく。

そして、その現実は「死刑」というある意味「殺人」を生み出している。

「それでいいのか?」

 

是枝監督の描きたかったことはこういったことであり、映画を観た人に行きついてもらいたいところはそこだったのではないでしょうか。

そう考えると、映画の題名にも、ポスターにも、そして、劇中に出てくる一見意味不明に思える印象的なイメージシーンにも、登場人物の発するセリフにも、映し方にも、様々なところにこの作品を読み解くヒントが隠されています。

そして、一番の仕掛けは「最後まで見ても、結末がわからない」ということです。

もしかすると、私の観ていない多くの映画の中には、このような結末を仕組まれた作品があったのかもしれませんが、私が観た作品の中でこのような仕掛けの作品は初めてでした。

そういった意味で新鮮であり、是枝監督の最高傑作というフレコミに「偽りはなかった」と感じています。

 

実は、もう一回観てみたいと思っています。

そうすることによって、見逃してしまっているこの作品の見どころに気付くことができて、より一層この映画を堪能できるのではないかと・・・・。

DVDが出たら、字幕スーパーを表示させて、一言一句逃さずに観てみよう!

 

 

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

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一番最後に観たのは、東野圭吾原作の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」です。

 

私が小説を読みだしたのは社会人になってからです。

学生時代はマンガは読んでも、小説の類は殆ど読んだことがありませんでした。

そんな私でも、国語や現代国語は得意だったんですけどね。

社会人になって出張が多くなり、新幹線や飛行機移動の最中に時間つぶしの目的で1冊の小説を買いました。

宮部みゆきの『理由』でした。

 

この本を選んだのは、本屋で一番見易いところに平積みにされていて、「直木賞」を受賞した作品であるとのポップアップがあったからです。

「賞を獲る作品はきっと素晴らしいに違いない」と単純に選んだだけですが、あまりの面白さと読みやすさに、出張先から帰る道のりと家に勝ってから合わせて一晩で読んでしまいました。

本を読む面白さに気付かされたわけですが、そうなると早速次の小説を探すことになり、直木賞つながりで選んだ2冊目が東野圭吾の『秘密』でした。

 

最初は「なんでこんなSFチックにしてしまうんだろう?勿体ない」と思って読み始めたのですが、読み進めるうちに東野圭吾の世界に飲みこまれ、最後には感動の涙を流させられてしまっていました。

凄かった。

小説を読んで泣いた経験なんて無かったですから!

 

それから東野圭吾にハマり、これまでに映画化・ドラマ化された東野作品は殆ど観ています(あ~、でも『流星の絆』はまだ見てないんですよね)。

ということで、東野圭吾原作の映画については、他人よりも贔屓目に見てしまう私です。

 

この『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、先に原作を読んでいました。

読み終えた時に、「この作品はきっと映画化されるんだろうな~」と思っていました。

それからあっという間に映画化されたことに、ちょっと驚きました。

 

原作を読んだ時にイメージしていたナミヤ雑貨店の雰囲気と、映画で作られたお店の感じがとっても良く似ていて、その時点で「良くここまでイメージを合わせることができたな~」と感心してしまいました。

 

この作品に対する世間の映画評は大きく分かれていて、「感動した」派と「金返せ」派の両極端なコメントを目にします。

ストーリーを知らずに観ると、また、東野圭吾のこの作品だけを観ると、期待値の高い人々の評価は酷いものになるだろうと想像できます。

 

普通、映画化された小説については、原作を先に読んでしまうと(読んだ人毎に自分だけの映像イメージを持ってしまうので)映像でその内容を描ききることが非常に難しく、映画を観てから原作を読んだ方が両方楽しめる結果になることが多いです。

要するに、原作を読んだ人が映画化された作品を観て残念に思うことが多いということなんですけどね。

だから、私はできるなら映像化されたものを先に観て、その後で原作を読みたい派なんです。

 

しかし、この作品に関しては、映像を楽しむためには先にこの小説の世界観に入り込んでいた方が、素直にストーリー展開やその描き方を受け入れることができるので、原作を読んでから映画を観たことが良かったと感じました。

勿論、映画を先に観てから原作を読んでも、間違いなく楽しめると思います。

 

実は、原作には映画では描かれていないあと二つのエピソードがあります。

個人的には、そのうちの一つがこの作品の骨を太くしていると思っているので、映画では味わえなかった深さが原作では楽しめます。

 

ミステリーファンタジーとでもいいましょうか?

この作品を観るためには、そういったジャンルを受け入れることができる人。

そういった人なら、きっと感動の嵐に包み込まれることは間違いないです。

 

「血も涙もない人」でも2回は泣けます。

「涙腺の弱い人」なら3回以上泣けると思います。

 

この『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、東野作品では『秘密』、『時生』、『パラドックス13』、『パラレルワールド・ラブストーリー』といった作品と同じジャンルになるのでしょうね。

この中で映画化されているのは『秘密』だけだと思いますが、それだけに映像化が難しいジャンルだと思います。

 

ところが、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は原作発刊から僅かなうちに映画化されました。

ということは、実は東野圭吾が始めから映画化することを考えて書いた作品なのではないか?というのが私の考えです。

だから、舞台が良く映像にハマっていて、東野圭吾の世界観を壊すことなく、しかも監督が色々とアレンジできた映画って感じがしました。

 

『容疑者Xの献身』、『麒麟の翼』、『白夜行』、『さまよう刃』等々、素晴らしい映画化された東野圭吾の作品は数多くありますが、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』はこれらとはタイプの違う(殺人のない)もう一つの東野路線の素晴らしい作品であることは間違いないと思います。

 

東野信者の私の評価ですから、悪しからず。

ちなみに、来年公開の『祈りの幕が下りる時』(加賀恭一郎シリーズ最新作)にはかなり期待しています!

 

 

3作品とも、それぞれに独特の面白さがあって、どれがいい、どっちが良いとかそういうものではありません。

「タイプの異なる3つの映画を楽しむことができたのがとっても嬉しかった」というのが、3つの映画を観終わった後の正直な気持ちです。

映画って本当にいいですね~。

以上、この秋に観た3作品の個人的な感想とまとめでした。

 

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